サビアンシンボルにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのイメージからスプレッドを作り、カードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つは度数に対応するカードからサビアンを考察してみることです(対応表はこちら)。
スプレッド
1.ダイバー
2.深海
ダイバーは、強い意思とよい呼吸を表します。
深海は、隠された深みです。ダイバーはこれを探求し、理解します。
リーディング結果
1.ダイバー:節制逆
2.深海:ペンタキング
節制逆のダイバー、無理する、過剰さ、息を止める。不調和さをあえてやって潜る。
ペンタキングの深海。物質的なエネルギーの支配力、ビジネスの運営力などが深みに隠されており、それを理解するために節制逆のダイバーが無理に息を止めて探求。
ペンタキングは、逆位置で5度の高波カードとしても登場しました。同じ海のもの、波と深海。なかなか示唆的です。
解説の要約
ルディア:深海ダイバー
深層心理、集合的無意識とその内容への合意を意味します。深度を深めていく冒険は、社会的価値とは無関係に個人の中で行われるものです。日常生活の表面的な波の下にある「理解」への探求は、大きな危険をもたらすかもしれません。強い意志と良い呼吸、つまり精神的な強さが必要です。意識の根源の「深さの認識」。あらゆる経験の隠された深みを探求し、根源的な原因を探ろうとする意思。
ジョーンズ:深海ダイバー
人間の根源的な性質の整合性。あらゆる経験を深く掘り下げ、日常の人間関係に広がる無限の可能性を明らかにする決断。さらなる完成に向け、あらゆるテストや機会でスキルを征し、自己を磨くことへ挑戦します。日々の問題への関心を高めることによる自己実現。人間の動機と構造の核心へ突入し続けます。キーワードは「関与」。
タロット対応
この度数のタロット対応は、カップ5(目的)/ペンタ3(手段)。ドデカテモリーは山羊座。
引き続き、カップ5の感情的ゆさぶり、ショック、インパクトが目指されます。
そのための手段としてペンタ3。物質的・経済的・社会的なエネルギーの増殖や発展。スキルの発展なども示し、ルディアの「良い呼吸」、ジョーンズの「スキルを征し、自己を磨く」の記述は、自分の能力を高めていくペンタ3的な意味とつながります。ダイバーとして考えたときは、人の心をゆさぶるような身体能力の発展、と捉えることができそうです。
この度数に太陽を持つ人物
アクション女優 志穂美悦子
千葉真一の主催していたジャパンアクションクラブが輩出した初めての女優。世界的にも評価されています。剣技や格闘に長け、スタントも自らこなしました。
身体能力の発達によって、人の心をゆさぶりショックを与える存在、と読むことができそうです。
(今日はもうひとりご紹介)
プラスサイズモデル アシュリー・グラハム
ボディポジティブ(体型、肌の色、身体的特徴に関係なく、すべての体を受け入れる運動)を支持し、そのお手本ともなっているモデル。日本で言うと渡辺直美的な「太っていてもカッコいい」というタイプの方です。
この方の場合も、また別の意味での身体能力の発達により、人々のこれまでの常識的な感受性にショックを与え変えていく存在、と言えそうです。ペンタ2的な「プラスかマイナスか(細い人=美/太った人=醜)」という変動の価値観ではなく、第3の社会的価値観(太っていてもいい)を提示する。カップ5は古く定着した感受性に疑問を投げかけ、人の感じ方を変えようとする力とも言えそうです。
リーディング結果の見直し
まず節制逆の不調和を乗り越えた先に、ペンタキングがいる。ここではペンタ3的な手段が取られていますから、ペンタキングに到達するのはそれにかなっています。そこまでたどり着いてしまえばキングだけど、その前に一度調和を崩す必要がある、と読めます。
参考:サビアン研究会、Dane Rudhyar「An Astrological Mandala」、「The Astrology of Personality」、Marc Edmund Jones「The Sabian Symbol In Astrology」、アンソニー・ルイス「完全版タロット事典」