サビアンシンボルにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのイメージからスプレッドを作り、カードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つは度数に対応するカードからサビアンを考察してみることです(対応表はこちら)。
スプレッド
1.飛行機
飛行機カードは、私生活での葛藤やプレッシャーを超越できる意識です。
このシンボルは、地上での二元論の世界に生きるストレスを、大空から高いレベルで俯瞰する能力を示しています。
横位置のカードは正逆を取りません。しかし今回は特に、「出たカードの正位置/逆位置という二元性の葛藤を超越した意識」として読んでみましょう。
リーディング結果
1.飛行機:運命の輪
運命の流れに乗れている/乗れていない、という二元論の世界から超越した意識。運がよいとか悪いとか、タイミングがよいか悪いか、そういう葛藤やプレッシャーからの超越です。
※最近はタロット対応からの検証が長くなりがちなので、スプレッドだけやりたい方は以下飛ばしちゃっても大丈夫です!
解説の要約
ルディア:澄んだ空高く飛行機が飛ぶ
二元性の世界に生きるストレスをより高いレベルで熟考する能力です。先達の努力や苦労、他者の協力に支えられた心を使えば、問題に新しい視点を得て、天の領域で自由と平和に到達できるのです。私生活での葛藤やプレッシャーを超越できる意識。26度での二極化したエネルギーの協力関係とは対照的に、極性を超えた統一領域の経験を示しています。
ジョーンズ:頭上をホバリングする飛行機
その人を不滅の存在にする想像力、理想的な人間の心理的成熟です。経験から世界全体を俯瞰し、物事を結果や関係性から見ることで得られる自己満足があります。自分は人間のあらゆる可能性の瞬間的な縮図なのだと気付きます。自己調整や、人生の危機に対応する高いスキル。キーワードは「反射、反映、反響」。
タロット対応
この度数のタロット対応はソード4(目的)/ワンド6(手段)。ドデカテモリーは獅子座です。
目的カードは引き続きソード4。知性の安定や秩序化、パターン化が目指されています。
その手段となるのはワンド6。ワンドは情熱や熱意、個人の尊厳。6は相互交流、調和の数字。ワンド6は情熱や熱意、尊厳の相互交流です。たとえば一方が「アツいぜ!」と感じるようなアクションを起こしたら、相手からも「なんてアツいんだ!」という同じだけの熱意の込められたリアクションが返ってくる。それが相互に影響しあって調和が生まれる。このカードには勝利や評価、名誉などのキーワードが当てられることが多いですが、それは熱の込められたアクションに対して同じ熱量のリアクションが返ってくるという意味です。
また6は相手を無視できないので、相手のリアクションを意図したアクションをし、その結果調和を起こそうとします。ジョーンズの「自己調整」も6的な調和を作るための調整でしょう。キーワードの「反射、反映、反響」も、6的な性質と言えます。
前の26度では鷲と鳩とに二極化されたエネルギーが、ワンド5的にぶつかり合いました。飛行機は鷲や鳩よりも高度の高い空を飛び、鳥たちの葛藤を超越します。この27度では、ぶつかり合いではなくリスペクトのやりとりによってソード4を目指そうとしています。ルディアの言葉に当てはめれば「私生活での葛藤やプレッシャー(ワンド5)を超越(ワンド6)」となります。
5が葛藤を生み出すためのアクション、6が調和を生み出すためのアクションですが、ワンドなのでどちらも熱が込もったものです。しかし熱はソードの客観性によってスーッと冷まされます。熱が冷まされることで、やっとそこに知性の安定が作り出されるのが26、27度かもしれません。
この度数に太陽を持つ人物に、アルチュール・ランボーがいます。革命的、反逆的な詩人で、葛藤を超越しているとは考えにくい人物です。しかし葛藤を目指したのではなく、勝利を目指したとは言えそうです。なんども軍隊に入ろうとしたのも、勝利への渇望があったのかもしれません。そしてランボーのこうした言葉からはソードの客観性も感じられます。
私は考える、と言うのは誤りです。ひとが私を考える、と言うべきでしょう。洒落を言っている訳ではありませんが。私とは一個の他者なのです。
イザンバール宛の「見者の手紙」より
リーディング結果の見直し
こうしたことからもう一度、運命の輪の飛行機を考えてみます。これは運命の流れに勝利しようという熱意によって、知的な安定化を目指そうとしている、と読むことができます。
みなさんのカード
本日もトライありがとうございました!
25度
26度
参考:サビアン研究会、Dane Rudhyar「An Astrological Mandala」、「The Astrology of Personality」、Marc Edmund Jones「The Sabian Symbol In Astrology」、アンソニー・ルイス「完全版タロット事典」
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