天秤座24度「左側に第三の羽を持つ蝶」

この「サビアンシンボルのタロットワーク」では、サビアンにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのビジュアルイメージからスプレッドを作り、実際にカードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つはその度数に対応するカードから、サビアンシンボルを考察してみることです(対応表はこちらにあります)。

解説の要約

ルディア:左側に第三の羽を持つ蝶

蝶は、霊的な生まれ変わりプロセスの結果を表す伝統的シンボルです。3枚の羽は、霊的生活の一面が特別に発達していること、ノーマルな霊的生活に何らかの力が追加されたことを示します。左は本能的な領域であり、おそらくまだ認識されていない力が発揮されているのです。これは「独創的な突然変異」のテクニックとなり、人生の状況に新しい対応様式を発達させることで内面が強化されます。

ジョーンズ:蝶の左側にある第3の羽 

人が無条件のオリジナリティを維持し、あらゆるチャンスに注意を払い、特別な運命を成就させるために努力するときの成果です。人間とその世界の無限の潜在力を象徴しています。すべての差異には親しみやすさがあり、それは人間の経験に貢献ができるのです。理想的なオリジナリティと迅速な分析能力の高さ。キーワードは「独自性、特殊性」。

タロット対応

この度数のタロット対応はソード4/カップ3です。ドデカテモリーは蟹座。

引き続き、ソード4の知的安定、秩序、パターン化が目的です。

その手段となるのはカップ3。「第三の羽」と3の数字が共通しています。カップは感情や共感、あるいはシンボリックなつながりです。カップ2では2つのもののつながりでしたが、3はより創造的になり、様々なバリエーションの「心のあり方」を生み出します。共感が共感を呼ぶ、感情の増幅です(「私ってこうなんだー」「えーそうなの! 私もそうだよ!!」「えーそうなんだー!!!」とどんどん盛り上がり続ける)。

23度のカップ2では、「雄鶏の鳴き声」と「夜明け」の2つがシンボリックにつながれていました。カップ3になるとそれをベースに「だったら犬の散歩をする人も朝のシンボルじゃない?」「マラソンする人もでは?」と、関連するシンボリックな仲間のつながりがどんどん増えていく、とも考えられます。

蝶のシンボルは天秤座1度でも出てきました。そのときのタロット対応はソード2/ソード2。2という数字の対称性に、それが2枚あることでさらに対称性が重ねられており、磨き上げた鏡のような「完璧な元型の体現者」としての蝶でした。24度では羽の数が左右違う非対称性があり、これが3という奇数の非対称性と関連しているようです。3は創造的なので、もう一枚羽を作ってしまった。

3の創造はバリエーション豊かで常に新しく、同じものを作りません(同じものを量産するのは4)。しかしカップは基本的に「同じものとしてつなげる」力なので、カップ3は「同じもの同士の仲間」のつながりを、これまでにない新しいバリエーションでどんどん作っていく、と読めます。第三の羽はおそらく他の羽と同じものですが、その存在は新しい。

こうしたことはソード4の知的安定のために行われます。いくら気持ちが盛り上がったり、新しいバリエーションでシンボリックなつながりができたとしても、「蝶は蝶です」という落ち着いた思考によってまとめちゃう冷静さも感じられます。

この度数に太陽がある人物に、辞典編纂者として有名なノア・ウェブスター(ウェブスター辞典)がいます。言葉とはシンボルであり、辞典では言葉が星の数ほど増えていきます。同じ言葉は一つもありませんが、それらは全部ひっくるめて「同じ言語の仲間」であり、辞典という知的な秩序の中に安定化され、まとめられています。

感情や共感、シンボリックなつながりの増幅を、知的安定によってまとめあげる度数と言えそうです。

スプレッド

1.第三の羽

このカードは、まだ認識されていない独創的な新しい力を示しています。

リーディング結果

1.第三の羽:ワンド7

まだ認識されていない、独創的な自己主張、自分をのし上げていくための新しい力。


参考:サビアン研究会Dane Rudhyar「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」Marc Edmund Jones「The Sabian Symbol In Astrology」アンソニー・ルイス「完全版タロット事典」Paul Huson「Mystical Origins of the Tarot」「ピカトリクス」


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