この「サビアンシンボルのタロットワーク」では、サビアンにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのビジュアルイメージからスプレッドを作り、実際にカードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つはその度数に対応するカードから、サビアンシンボルを考察してみることです(対応表はこちらにあります)。
解説の要約
ルディア:嵐の後、再建が必要な船着き場
船着き場は、海と陸のリンクとなる場所です。象徴的には海は無意識の領域、陸は文化的社会によって構造化された自我意識の領域です。陸から遠く離れる冒険には危険や破壊が伴うかもしれません。嵐によって破壊された無意識と自我意識のリンクは、ゆっくりと再構築される必要があります。
ジョーンズ:流された船着き場
人格を持った人間と、人格を持たない自然の間に敵対関係があるように見えますが、それは表面的なものです。宇宙は現実を「手付かずの状態」へ戻そうとする秩序を持っていますが、それは人間の努力を妨げているというより、新たな達成への刺激や個性への挑戦、耐用年数を超えたものからの解放です。キーワードは「一時休止、猶予(RESPITE)」。
※今日からルディアとジョーンズの解説をそれぞれ簡単に要約することにしました。これまでは二人のどちらか、あるいは両方をミックスして自分なりの解説を書いていたのですが、自分なりの考察はタロットを通じたものだけでよいかな、と。サビアンにのみ興味があってこのページに辿り着いた方にもおそらくこの方が親切でしょう。しばらくこのスタイルで行ってみます。
タロット対応
この度数のタロット対応はソード3/ワンド2。引き続きソード3の知的発展が目的となります。
その目的を果たす手段となるのはワンド2。ワンドは火のエレメントのスートで、精神や活力、情熱を表します。2は二つのもの、二重性、また光と影や天と地など、二元性に関わる数字です。
同じ2のカードとして、天秤座1〜10度の目的カードだったソード2も思い出されます。そのときは「鏡写しを作る」という読み解きをしていました。ワンド2でも鏡を作っていると考えることもできますが、ソードが「知性や視点」の鏡写しだったのに比べ、ワンドは「精神」の鏡写しとも言えます。精神が二つに分裂する、もしくはドッペルゲンガーのようにもう一人の影の自分が出現する、というイメージ。
ルディアの解説に出てきた「無意識と自我意識」、あるいはジョーンズの「人格を持った人間と持たない自然」という二つの意識が、このワンド2の二重性に対応しているようにも感じます。
15度円環の道のカップ10は、共同体みんなの心が一つになった、という心の完成でもありました。みんなの心が一つになって、集合無意識のようなものができあがったとも言えそうです。16度ではその集合無意識に対してもう一度個人の意識が出現し、その間のリンクをどうするのかが問題になっているのかもしれません。15→16度はドデカテモリーが魚座→牡羊座へ切り替わりであることも、この「無意識の中から自我意識が出現」という図式を強調しています。
こうした意識の二重性も、やはりソード3の知的な発展のために行われます。無意識と自我意識が二つに分かたれたことにより、多彩な知恵が発展していきます。「これ、どうやったら復旧できる?」という試行錯誤があるのかもしれません。
スプレッド
1.船着き場
このカードは、常に修復が必要な、無意識と自我意識のリンクを示します。カードは壊れちゃった状態を示していて、それをどうやったら修復できるか?を考えるのがよさそうです。
リーディング結果
1.船着き場:カップ8逆
壊れちゃった状態としての逆位置なので、壊れていないときは正位置だった、と考えることもできます。感情的な密度の高さ、念の強さによって、無意識と自我意識がリンクされていたが、それが壊れた。
13度シャボン玉に対応するカードがカップ8でしたが、そのときは表面張力で球体となったシャボン玉がカップ8的と考察しました。あのときのシャボン玉が割れちゃって、無意識と自我意識のリンクが壊れている、と読むこともできます。再びシャボン玉を膨らませなければならない?
みなさんのカード
本日もトライありがとうございました!
13度
15度
14度
参考:サビアン研究会、ルディア「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」、ジョーンズ「The Sabian Symbol In Astrology」
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