2023-04-24

●昨日、オイリュトミストの方から「タロットで地球の運命は占えますか? 地球の声、石や木々、自然の声を聞くことは?」という質問があった。

自分のなんとなくのイメージでは、地球や石や自然の感受性をリーダーが持つことができれば、タロットでもそうしたものの声を受け取ることはできるような気がした。しかし、そうしたものの感受性を持つとはどういうことか。

例えば、ある人が、「地球の感受性」を持つよりも、「私は地球の声を聞くことができる人だという感受性」を持つことは容易だと思う。後者の感受性を持っている人は、私は地球の声を聞いている、と感じることができるので、地球の声を自分の心の中にイメージとして受け取ることができる。ただし、それがその人の想像なのか、本当の地球の声なのかはわからない。

とはいえ、「地球の感受性」を人間が持つことができるとは思えないので、後者のやり方で地球の声を聞くしかないだろう。そもそも、タロットリーダーも「私はタロットの声を聞くことができる人だという感受性」を持っているにすぎないかもしれない。

どれだけ聞き取った声に説得力が出るかは、その人がどれだけ深く自分の感受性に納得しているかにかかってくるだろう。「私は地球の声を聞くことができる」と、その人が深く心に納得し、腑に落ちていれば、地球の声にも納得できる。そして納得した上で人にも伝えることができる(本人が納得していないことを、人に納得するように伝えることもできるだろうが、ここではそういう話は置いておく)。

どうやったら「私は地球の声を聞ける」と深く納得できるか? これは地球というものをその人がどうイメージするかに関わってきそう。地球は直接人間の言葉を話せないため、一番簡単なのは擬人化したイメージで地球を捉えることだ。地球を象徴するキャラクターがいれば、そのキャラクターと対話すれば、地球の声を受れる。大地母神みたいな神話的存在としてイメージすることになるのか。姿がなく声だけでも、擬人化して人語を話してもらうと対話しやすい。

擬人化されていない状態の地球の声を聞くことは、なかなかイメージしにくい。逆に、自分の方を人間的状態から解体し、地球的存在として構築し直すことも可能かもしれない。その状態になって心に受け取ったものは言葉とは言えないかもしれないが、後で人語として表現し直す。こちらは「地球の感受性」を持つことに近いのかもしれない。

地球を擬人化するのは、地球のイメージを自分に引き寄せることで、自分を地球的存在に構築し直すのは、自分を地球に寄せること。どちらが容易かというと、前者だろう。もし可能だとすれば後者の方がリアリティが強い印象もある。アーティストのアナ・メンディエタみたいに、自然の中に自分を一体化させていくと、地球の感受性を得ることにつながっていくのかもしれない。

地球を擬人化するとして、そのときにアーティストが描いた大地母神の絵などがあり、それが本当に地球のようなスケールの畏怖を感じさせるものであれば、より地球の声もイメージしやすくなるかもしれない。ただ人間が書いた絵だから、人間的な感受性(画家の感受性)のフィルターもかかっている。しかしアートが、アーティストのフィルターを通しつつも地球を表現するとしたら、リーダーがリーダーのフィルターを通しつつも地球の声を聞くことは可能だろうか?(人間にとっては結局そうするしかない?)