蠍座13度「実験する発明家」

発明の才や創意工夫で、より完全で効率的な社会相互作用を開発します。物理学的な原理を解明するように、対人関係や国際問題の根源に直観と分析の両方で迫ること。自発性、忍耐、慎重さが、すべてのもの同士の関係を理解するために価値を持ちます。ジョーンズは「利口」、ルディアは「一見関係のない事実を関連付ける能力」というキーワードを当てています。

スプレッド

1.発明家
2.実験

発明家は、発明の才や創意工夫を示します。

実験は、より完全で効率的な社会相互作用の開発です。

リーディング結果

1.発明家:ワンド4
2.実験:女帝

ワンド4の発明家。安定した情熱による発明の才や創意工夫。ワンドは独自性を示すので、アイデアを安定して出せる、とも読めそうです。

実験は女帝。いろいろなものが作り出されていく、創造性のカードです。昨日、たまたまホドロフスキーの「タロットの宇宙」を読み直していたら、女帝は「経験することのないまま破裂する」青年期のエネルギーだという印象的なフレーズがありました。経験があって作り出されるものではなく、未経験だからこそ生まれるものはすべてが新しい。

どちらも久しく登場していなかったカードです。ワンド4は逆位置で、天秤座20度ラビ(継承された知恵による奉仕)として登場していました。正位置化したので、発明家は継承された知恵を使わないで新しいことをやろうとしているのかも。

女帝は獅子座16度の嵐(危機)に逆位置でした。そのとき去った創造性の欠如という危機が、ここでしっかり正位置化して活動を開始している。また獅子座11度の樫(人類の偉大な伝統)でも逆位置で、創造的伝統がここでは復活している。ラビの知恵の継承とは違う形で、伝統が継承されたのかもしれません

ここは自分のMCの度数でした。

タロット対応

この度数のタロット対応は、カップ6(目的)/カップ10・ワンド2(手段)。ドデカテモリーは魚座から牡羊座への切り替えポイント。

引き続き、カップ6の感情や共感の相互交流が目指されています。

その手段となるカードは2枚、カップ10とワンド2です。カップ10は目的と同じくカップの感情、共感、感受性のスートで、完成・絶対化をする10。コミュニティ全体が一つの感情、感受性に満たされた状態。12度のカップ9で、大使館が自国の文化圏から外国に飛び出しましたが、カップ10ではその交流が進み、どこの文化も渾然一体となって一つのものになった段階です。全体で一つの世界観の完成、とも言えるかもしれません

これはカップ6のために起こるので、そうやって一つになった全体同士が、さらに別の全体同士と交流しているイメージです。ルディアの言う「すべてのもの同士の関係を理解する」が、感情や感受性のレベルで行われます。

ワンドは、カップの「みんなが一つに」のエネルギーとは逆で「個の重要性」を尊重するスートです。他とは違う独自の存在であるかどうか。ワンド2は「個」が2つあり、相互に関係し合う状態。また情熱や意欲を表しますので、2つの意欲を並行させている状態でもあります。発明家の創意工夫とはワンド的なエネルギーに関わっています。

カップ10で全体の感受性が一つになり、そこからワンド2がその全体とはまた別の独自性を持って出現します。全体が溶け合いつつも独自のものが出現し、それが相互交流のために起こっている度数です。

この度数に太陽を持つ人物

映画監督 エドワード・ヤン

台湾の映画監督。代表作「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」は4時間弱の大作です。監督は100に及ぶキャラクターのすべてに来歴と、物語が終わったあとどうなるのか、膨大なバックストーリーを作成。縁起経験の少ない少年少女の出演者たちを相手に1年以上のリハーサル、3年の製作期間を費やし、全体を掴みきれないほどの「世界そのもの」を表現。同時のその中で生きている一人ひとりの存在がはっきりと際立っています。

みなさんのカード

本日もトライありがとうございました!

11度

https://twitter.com/mayuskywalker1/status/1456038294681051137

12度


サビアンシンボルにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのイメージからスプレッドを作り、カードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つは度数に対応するカードからサビアンを考察してみることです(対応表はこちら)。

参考:サビアン研究会Dane Rudhyar「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」Marc Edmund Jones「The Sabian Symbol In Astrology」アンソニー・ルイス「完全版タロット事典」