蠍座11度「溺れる人が救助される」

人が命がけで他者を救うのは愛であり、これは相互関係を鮮明に感じることで生まれる責任感に基づく。この愛に支えられているからこそ、人は安心して踏み出せるが、かえって無根拠な信頼や信頼につながることもありえます。ルディアのキーワードは「人道主義」、ジョーンズは「安全性」を当てています。

スプレッド

1.溺れる人
2.救助

溺れる人カードは、愛に支えられているからこそ踏み出せる一歩です。

救助カードは、相互関係を鮮明に感じることで生まれる、責任感と愛です。

リーディング結果

1.溺れる人:ペンタキング
2.救助:カップペイジ逆

溺れる社長。愛に支えられているからこそ、ビジネスに一歩を踏み出せる。

カップペイジ逆の救助、一緒に溺れてそう! 溺れるキングを助けようとして自分も溺れる子供。

あるいは「助けなんていらないよ」と背を向けるキングと、助けようと思ったのにガッカリなペイジ。

タロット対応

ここから蠍座の第2デーカンへ入ります。目的カードは、10度までのカップ5からカップ6へ。手段カードはカップ8。1度、11度、21度からの2〜3度は、必ずそのサインのエレメントのスートが2枚重なります。そのサインのエレメントのテーマが再び強調されている。

カップ6は、感情や共感、類比のつながり、感受性が相互に交流するカードです。カップ5が感受性にショックを与えることを目的としていたのに対し、カップ6は相互に交流し、感情的な理解を作り出そうとします。カップ5で「えっ! そんな感情のあり方があったんだ!」という驚きがあった後、「そうかそれならそれを理解しあおうじゃないか、共有できるようにしようじゃないか」と働きかけ合うのがカップ6です。

カップ8は感情や感受性のエネルギーが一度完成する。カップに入った水が表面張力で溢れるギリギリ、もうこれ以上水を入れたら溢れ出す臨界まで来た。カップ6での相互の感情エネルギー交流からさらに進んだ段階で、もう互いの感情状態は完璧に理解してそれ以上のことは必要ないところまで来ちゃった、というカードです。これ以上ないところまで来たので次のカップ9ではそこから飛び出していくところへ向かいますが、8ではまだギリギリのところが保たれている。天秤座13度「シャボン玉」にもカップ8があり、シャボン玉の表面張力もこのカードのイメージです。

ここではカップ6的な交流のために、カップ8的な目いっぱいの感情状態を使うことになります。お互いに表面張力ギリギリまで入ったカップを「私の感情・感受性はこういう感じ」「私のはこうです」と交換しあっている、みたいな。たしかに溺れてもおかしくない水の過剰が、サビアンシンボルに示されているようです。

この度数に太陽を持つ人物

冒険家、作家、フランス文化相 アンドレ・マルロー

カンボジア、ラオス、チュニジア、イラン、アフガニスタン、中国、日本など世界各地をめぐり、小説や美術・芸術にまつわる本を執筆。自国フランスやヨーロッパ文化を深く理解した上で、異国の文化を深く洞察し、鋭く発言しました。日本文化をヨーロッパへ紹介することに尽力し、その理解は伊勢神宮(20年ごとに造り替えられる)を訪れたときのこんな発言に現れています。

忘れられた建築家が、この社を創案したのだった。日本人が、絶える事なくそれを燃しては立て直す。それゆえにこそ、永遠なれと。忘れられた庭師が、これらの木々をうえたのだった。幾百年後にも大地からの未知の祝詞が人々の耳に届くようにと。西洋の建築家は、その聖堂が久遠の石のごとくであれと夢み、伊勢の大工たちは、その柱が、この上なく壮麗な宴のごとくであれと念じた。しかして、このたまゆらは、大聖堂よりピラミッドより力強く、永遠を語るのだ。そそり立つ列柱、そそり立つ飛瀑、光に溶け入る白刃。日本。

アンドレ・マルロー「反回想録」

「日本がフランスのためにどんな役割を選ぶのか、私にはわかりませんし、それは当然、日本の問題です。しかし、フランスが日本のためにどんな役割を選ぶかといえば、それは西洋全体に対して日本の精髄を受託する者となることです」

ミシェル・テマン「アンドレ・マルローの日本」

自国の文化への深い感受性(カップ8)を持ち、他国の文化への深い感受性と交流する(カップ6)、と読むことができます。

みなさんのカード

本日もトライありがとうございました!

9度

https://twitter.com/mayuskywalker1/status/1455327625769979909

10度

https://twitter.com/mayuskywalker1/status/1455328489494564865

サビアンシンボルにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのイメージからスプレッドを作り、カードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つは度数に対応するカードからサビアンを考察してみることです(対応表はこちら)。

参考:サビアン研究会Dane Rudhyar「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」Marc Edmund Jones「The Sabian Symbol In Astrology」アンソニー・ルイス「完全版タロット事典」