この「サビアンシンボルのタロットワーク」では、サビアンにタロットを使って二つのアプローチをしています。一つはサビアンのビジュアルイメージからスプレッドを作り、実際にカードを引いてリーディングしてみること。これは「その度数におけるその人の発達状態」を読み解く取り組みです。もう一つはその度数に対応するカードから、サビアンシンボルを考察してみることです(対応表はこちらにあります)。
解説の要約
ルディア:職務を遂行するラビ
先祖代々の伝統の力、社会文化のパターンが、仲間に奉仕し霊感を与えるために利用されています。これには限界もあり、厳格さのあまり硬化したり惰性になる可能性もありますが、その限界を受け入れる人を通して「継承された知恵」が明らかにされます。そうした振る舞いや思考の儀式化には美と知恵があり、個人と共同体、さらに宇宙との関係は安定して効果的に機能しています。
ジョーンズ:ユダヤ教のラビ
仲間に深い理解をもたらすことで人は自信を得ます。永遠の価値観と、日常の温かい奉仕、その両方による内面の社会性は、すべての人の願望のために高い献身ができる可能性となります。先人の肩の上に立てた人々には並外れた洞察力がもたらされます。キーワードは「遺産、先祖伝来のもの」。
ラビとはユダヤ教の聖職者のことです。律法(トーラー)を解釈する学者、教師、指導者であり、宗教儀式を執り行う立場にあります。
タロット対応
この度数のタロット対応はソード3/ペンタ7です。ドデカテモリーは牡牛座。
11度から続いてきたソード3の知的発展の目的は、この20度で終わります。11度は「眼鏡越しに学生を覗き込んでいる教授(ソード3/ソード5)」だったので、人に教え導く立場という点がラビと共通しています。
ペンタクルは物質的・経済的・社会的なエネルギーに関わり、7は落差のあるところに起きる一方通行的な動きを表します。19度ギャング団のペンタ6では、アンバランスな社会に対し物質的・経済的な調和を求めましたが、7では落差をつけようとします。ラビは一般的な人々より宗教的な立場が高いですが、その関係性をフラットにしようとはしません。ここでは上の者から下の者へ教えが降ろされるという一方通行的な落差があり、その逆は起こらないのです。また伝統という意味で言えば、過去に作られた律法が現在に向けて一方的に受け継がれる、ということも7的な動きと言えそうです。
(ちなみにウェイト=スミス版の作物を眺める男の絵は、彼にとってまだ成果が不足している、よそさまの実りやノルマ、あるいは自分の理想と比べて落差があるため、よりプラスに向けて一方通行的に進もうとする図だと読めます)
ソード5だった11度教授が、あくまで知識や思考レベルの議論を吹っかけたのに対し、ペンタであるラビはより社会的なエネルギーを取り扱っています。
こうした一方通行的な、落差のある物質的・社会的エネルギーの動きにより、ソード3の知的発展を起こそうとしている度数と言えます。律法学者のラビは、伝統を一方的に引き継いで考えを発展させている。
3と7は両方奇数であるため、能動的・積極的な力が強調されています。
スプレッド
1.ラビ
このカードは、継承された知恵による奉仕を示します。
リーディング結果
1.ラビ:ワンド4逆
ワンド4は宗教儀式を示すこともあって、あんまりちゃんとやってないラビのようにも見えます。あるいは情熱を不安定化させる奉仕。ムラっ気のあるラビ。安定しそうなものを揺さぶろうとする奉仕。
みなさんのカード
本日もトライありがとうございました!
18度
13度
19度
参考:サビアン研究会、ルディア「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」、ジョーンズ「The Sabian Symbol In Astrology」
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