このロマは彼女の一族がキャンプしている森から、外の都市へと出ていこうとしています。都市では森と違い、同族ではない人々が大勢暮らし、複雑な精神の営みをしています。緊張した人間関係もあるかもしれません。ロマは歴史的に差別を受けてきた民族ですが、そうした偏見と直面する可能性もあります。しかしそれでも彼女は新しい意識状態への憧れを持って森から出ていきます。
26度の霜で覆われた木々では、目先の利益や個人的な関心、外面的なものを超えた、個々の存在の本質が明らかにされました。冬の寒さは生い茂った葉を削ぎ落とし、その存在の元型といえる構造が発見されたので、もうそれ以上削ぎ落とすものはなにもありません。ロマはその本質を持って、今度は森の外の複雑な世界へ出ていこうとします。
差別される民族という点では12度の黒人少女と共通しています。少女は街で独立のために戦っており、それは偏見や先入観という過去の亡霊から開放されるための闘いでした。しかしロマは自分の部族の野営地を過去とし、そこから都市へと移行します。外面的なものを超えた本質を持っているので、人種的問題意識よりも、自分の本質を他者との複雑な関係の中に置いたらどうなるのか、という期待を持っているのかもしれません。
ある意味では、26度で落ちた葉が再び生い茂ろうとしており、しかしそれは葉としてではなく「人と人との精神の複雑な関わり合い」として茂っていくようにも感じられます。
より大きく、より複雑な精神構造を持った全体への参加に向け、手を伸ばそうとしている度数です。ロマは自分をそうした全体の複雑さを入れる器として意識し、森から出ていこうとしているようです。
スプレッド
1.森
2.ロマ
森は、ロマが元々いた部族的・本能的ステージを示します。これは過去として後にしていくものです。
ロマはより複雑な他者との関わりや、精神構造を持った全体への憧れです。
リーディング結果
1.森:ワンドクイーン
2.ロマ:戦車
情熱的、意欲的なワンドクイーンの森。その情熱を自分の中にも人の中にも育てようとする森。この森の中にいれば個としての存在価値を実感し、それを育んでもらうことができる。しかしこれは過去として後にするもの。
ロマは戦車。個人の価値や情熱というレベルでは飽き足らず飛び出す。しかしそれは自分の存在を外的に表現していくためのエネルギーでもある。戦車は今までいた場所を否定し、まだ見ぬ領域に向かって突っ走るカードでもあります。後戻りはしない。
みなさんのカード
みなさま本日もトライありがとうございました!
26度
24度
25度
サビアンシンボルからタロットのスプレッドやワークを作っています。「そのサビアンシンボルの意味を探る」のではなく、「その度数におけるその人の発達の状態」を読み解く取り組みです。しかし個人の発達状態を通じてサビアンシンボルの元型を透かし見ることもできるかもしれません。
参考にしているのはサビアン研究会での学びと、ルディア「An Astrological Mandala」「The Astrology of Personality」、ジョーンズ「The Sabian Symbol In Astrology」。
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